書評
リカバリー
アスリートの疲労回復のために足

 リカバリー、recoveryは「疲労回復」を指す。アスリートの疲労回復の研究で知られる山本氏が監訳者を務めた本。原著は“The Athlete’s Guide to Recovery”、つまり「アスリートの疲労回復ガイド」である。アスリートを対象に書かれたもので、スポーツ医学に基づくエビデンスは記されているが、あくまでアスリートという実践者を対象にわかりやすく、実際的に書かれている。
 全体は3部構成で、1部は「リカバリーの定義と測定」、2部は「リカバリーテクニック」と題し、アクティブ・リカバリー、ストレスの解消、睡眠、栄養と水分摂取、サプリメント、冷却療法と温熱療法、セルフリカバリー法、リカバリーのために用いる機器、マッサージ、セルフ・マッサージ、リカバリーに役立つヨガ、瞑想と呼吸と、現場で行われている疲労回復法をあますところなく紹介し、論じている。3部は「リカバリー・プロトコル」として、ショートディスタンス・トレーニングとレースからのリカバリー、ロングディスタンス・トレーニングとレースからのリカバリーについて具体的に解説。
 書名どおりアスリートの疲労回復をテーマにしているが、アスリートのみならず、一般の人の仕事での疲労への対応にも役立つ内容。
勝負に勝つためには、トレーニングによる疲労からいかに上手に回復するかがキーになる。いわば、戦略的リカバリー、これは監訳者である山本氏も好んで使う言葉である。疲労を制するものが勝負を制すると言いたくなる一冊である。(清家)



リカバリー
Sage Rountree 著
山本利春 監訳
A5判 240頁
2,800円+税
ナップ
2013年4月14日刊

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