書評
運動しても自己流が一番危ない

 講談社+α新書の一冊。副題は、「正しい『抗ロコモ』習慣のすすめ」で、このほうが内容を正確に表わしている。「メタボ」はよく知られる言葉になったが、「ロコモティブシンドローム」を略した「ロコモ」の認知度はまだこれからという段階か。
 しかし、日常町中や電車などの交通機関など周囲を見渡すと、ロコモ、つまりそのままだとやがて要支援、要介護、そして寝たきりになる危険性のある状態の人はかなり多いことに気づく。ロコモーションは移動を意味し、簡単に言うと歩いて思うままに活動できることを言う。それができないということは運動器、つまり筋肉や関節などの問題なのだが、それはまさに生活習慣病であり、日常の姿勢や立つ、歩くなどの動作の積み重ねで起きてくる。
 著者の曽我氏は、日本体育協会公認アスレティックトレーナーで、これまで取材させていただいている。主に陸上競技の選手のケアを豊富に経験されているが、鍼灸師の資格も活用し、開業の治療院で、アスリート以外の一般の人のケアやコンディショニングに携わっておられる。為末大選手の専属トレーナーであったこともあり、トップアスリートの身体については詳しい。その経験が一般の人の身体にも活かされている。
 その著者が、これまでの経験から、ロコモにならない、あるいはロコモの人も脱ロコモできるように、日常できる運動を、「正しく」行うためにまとめたのが本書。
 本書は、「曽我式ロコモ予備軍チェック」から始まる。以下の10項目。あなたはひとつでも該当しますか。該当すれば、この本を読んでみることをおすすめします。

01.階段の上り下りが前よりつらくなった
02.坂道を一定のペースで上ることができない
03.30分ほど歩き回っていると、どうしても休みたくなる
04.水たまりをまたがずに、横に避けて通る
05.椅子に座るときに、ドサッと座ることが多い
06.重いものを持つとき慎重になる
07.座っているとき、気がつくと猫背になっている
08.電車で降りる駅が近くても座ってしまう
09.つい手すりにつかまってしまう
10.寝ても体の疲れがとれない

 長いトレーナーとしての経験が一般の人に活用されるよう書かれた一冊。何歳になっても遅いということはない。「正しく」鍛えていきましょう。(清家)

運動しても自己流が一番危ない
曽我武史 著
新書判 192頁
838円+税
講談社
2013年7月22日刊
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